カーボンデポジットの堆積によるエンジンノイズ発生の原因
エンジンの始動時にエンジンノイズが大きく、水温の上昇と共にノイズが少しずつ減少する場合、燃焼室とピストン上面にカーボンが堆積していることが考えられます。
カーボンデポジットの固着によりピストンスラップが起き、カラカラとガソリンエンジンがディーゼルのようなノック音がするなどの症状が出ます。
(ピストンの首ふりによりピストンスラップの発生。スラップ音と表記。)
さらにある一部のガソリン添加剤や少ない距離の走行の繰り返しと、相当な低回転・低負荷走行は、カーボンの堆積を助長させます。
このノイズはタペット音・ハイドリックラッシュアジャスタのノイズに似ています。
ただし、タペットノイズと違い、このノイズはエンジンの回転数の増加に伴い、増加したり減少したりします。
加速の際に特に気になります。
1)エンジン内部のデザインによるもの
例えばインジェクターの噴く角度によってインテークバルブにカーボンが溜まりやすいなど、ピストンのトップランドの形状によりカーボンが堆積しやすく、スラップ音が出やすいなど数々考えられます。
2)走行の状況によるもの
走り方でノロノロ走行(低回転・低負荷走行)が続くとどうしてもカーボンが溜まりやすくなります。
ですから大排気量車・高出力車の方がカーボン堆積しやすいと言えますし、高回転・高負荷用にデザインされたスポーツカーでの短い距離の通勤走行・渋滞走行ではカーボン堆積しやすいと言えます。
3)ガソリンの素材によるもの
多くの自動車メーカーもコメントしていますが一部の粗悪ガソリンによるもの。
一般に粗悪ガソリンと呼ばれる低価格のガソリンではノイズの発生だけではなくエンジン破損にも繋がる場合があります。
1回の使用では気になるレベルでなくても何千Km、何万Kmのレベルでは違いがはっきり出ます。
4)その他
一部のガソリン添加剤の使用によってカーボン堆積しやすくなります。
また何らかのエンジンの故障によりオイル消費が多い場合、つまりオイル上がり・下がりによって燃焼室にオイルがかなり混入している場合など。
いずれの場合においても走行数、走行条件に比例して悪化させてしまいます。
数万Km走行しカーボンが堆積したエンジンを分解すると、ひどい場合排気ポートが半分近くもカーボンで塞がっていることがあります。
これでは十分な排気工程が行われず出力に影響がでるのはあたりまえです。
燃焼室ではカーボン堆積すると必要以上に圧縮比が上がり早期着火の原因になりノッキング発生の症状が出ます。
さらに燃焼効率の低下により燃費悪化をもたらします。
多くの方々が新車から乗り続けた場合、1回目の車検を受けるぐらいのころに愛車のエンジンのくたびれを感じると言われます。
さらに2回目の車検を受けるぐらいのころには、はっきりと車・エンジンの衰えを感じることが出来ると皆様経験があると思います。
それはエンジン内部のメカニカル磨耗よりも、カーボンの蓄積による吸排気効率の低下や燃焼効率の低下によるレスポンスの悪化・燃費低下の影響が大きいともいわれています。
エンジンオイル交換がカーメンティナンスの常識になっていますがエンジン燃焼室内のカーボン除去力のあるガソリン添加剤の使用も必要事項になります。
図のようにポリエーテルアミンがカーボンデポジットに吸着・除去し、燃焼させ、排気します。確実に除去しさらに触媒等に残りません。
スポーツカー、高級車、大排気量車こそエンジン内部洗浄剤が必要とされている
何度もノロノロ走行(低回転・低負荷走行)はカーボン堆積の原因の一つといってきましたが、同じスピードで走行する場合排気量が大きいほど実質的な低負荷走行となります。
100kmで巡航するのに必要な馬力は普通乗用車で3〜40馬力程度です。
つまり高出力車では高速走行でもエンジンは少ない負荷しかかかりません。
よりカーボン堆積しやすいといえます。
近年のエンジンはより高清浄能力のエンジン内部清浄剤を求めている
近年、燃費改善のためリーンバーン(希薄燃焼)やダイレクトインジェクションなどガソリン混合比を薄くする傾向が自家用車の多くを占めるようになりました。
これに伴い燃焼室内の混合気の渦(スワール、スキッシュやタンブル)の動きが重要になりますが、走行数が多くなるとカーボンの堆積・固着によりエンジン設計どうりにスワール等が発生しなくなる可能性が非常に高くなります。
急に燃費の悪化した場合などはカーボン堆積が原因のひとつと考えられます。
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